Safety of cardiac pacemakers and ICDs in magnetic resonance imaging

Safety of cardiac pacemakers and ICDs in magnetic resonance imaging

ペースメーカーやICD植え込み患者に対するMRI撮影は安全か?という話題です。
NASPE Exam.という電気生理・ペーシング治療全般を対象にした北米地域の試験の問題で、「ペースメーカー患者に対してMRI検査を施行してもよいか?」という設問があり、「しても良い」という選択肢が正解とされていたことで、私の周囲で騒然となりました。
その理由は、「ペースメーカー患者に1.5TのMRIを施行しても問題がなかった」という論文を根拠にしているようですが、「問題がなかった」ということと、「安全だ」ということは全く別問題です。
こちらの論文では、1.5TのMRIを使ってファントム試験をしていますが、シビアな機能不全を起こすケースがあるので安全ではないと結論付けています。

このあたりは、ペースメーカーやICDを植え込むことによって診断や治療の選択肢が制限されることに対する医師、あるいは患者の抵抗をペースメーカー業界がなんとか抑え込みたいという業界の意思が全世界的に働いている中で、そういった楽観的あるいは無責任な議論に科学的なアプローチから一石を投じる論文だと思います。